Search
Library
Home / BL / only/otherなキミとなら / 第35話 事件の推理④

第35話 事件の推理④

Author: 霞花怜
2025-06-24 19:00:44

「でも、俺と理玖さんをspouseにしたい理由って、何なんでしょう。本人たち以外に得する人なんか、いるのかな」

 晴翔の純粋な疑問には、思い当たる節がある。

「恐らく犯人は、rulerとotherをspouseにしたいんだろうと思う」

 晴翔が難しい顔を向ける。 

「rulerはspouseを得ても、その他大勢のotherに対してフェロモンの影響力を維持する。ただし、その性質は変化して、結果的に世間がいう|奴隷《servant》契約がonly以上に容易になってしまう」

 spouseを得ればonlyもotherも互いのフェロモンしか感じなくなる。

 今の晴翔は理玖のフェロモンしか感知しない。理玖も晴翔のフェロモンしか感じない。

 だが、rulerである理玖のフェロモンは、その他大勢のotherに影響してしまう。

 故に、他のotherから自分の身を守るため、SAフェロモンの催眠効果が高まりotherをtripさせる率が上がる。結果、servant契約がしやすくなる。

(使い方の問題だ。本来はservantを作るためのシステムじゃない。身を守るシステムだ。だけど、できてしまう。できてしまうなら、使いたい奴はいる)

「じゃぁ、犯人の狙いは、rulerである理玖さんを利用すること……?」

「可能性は高いね。どう利用するつもりかは、わからないけど」

 犯罪集団に加担でもさせたいのか。単純にrulerがspouseを得た場合の臨床データが欲しいのか。いずれにしてもWO関連の何者かである可能性は高い。

「僕の噂を知っている人物なら、利用しようと考えるかもしれない。晴翔君は、僕の噂は、知っている?」

 晴翔の顔が引き攣った。

「……少しなら、知ってます。理玖さんがo

Continue to read this book for free
Scan code to download App
Locked Chapter
Explore and read good novels for free
Free access to a vast number of good novels on GoodNovel app. Download the books you like and read anywhere & anytime.
Read books for free on the app
SCAN CODE TO READ ON APP